「あ」
青枯病(あおがれびょう)
この病気は土によって伝染し、導管部が侵されて先端からしおれ、ついには枯死する。ナス科の作物が連作できない原因の一つになっている。連作を避け、圃場の排水を図り、被害株は早く抜き取って処分する。
赤玉土(あかだまつち)
有機質を含まない赤土の乾燥したもの。水はけ、通気性が良く、反面水もちも良いので鉢物用として使われる。酸性土。
油粕(あぶらかす)
油をしぼり取ったあとの粕(かす)を油粕といい、遅効性の肥料として用いられる。何から油をしぼった粕であるかによって、ダイズ油粕、ナタネ油粕、ゴマ油粕などという。
育種(いくしゅ)
遺伝的な素質を変えて、より有用なものに改良することを育種という。
移植(いしょく)
発芽した苗をほ場(田や畑)へ定植するまでに、一時的に他の場所(ポットなど)に植えること。
移植ゴテ
苗などを鉢に植えたり、ほ場に定植する場合に使う小型のスコップのこと。
育苗(いくびょう)
作物のタネ(種子)を播いたり挿し木などをして苗を育てること。は種から定植する前まで苗を育てることを育苗、その期間を育苗期間という。
萎ちょう病(いちょうびょう)
トマト萎ちょう病、ホウレンソウ萎ちょう病、ゴボウ萎ちょう病などがあり、フザリウム菌によって発病する。
稲木(いなぎ、いなき、いのき)
稲などの穀物や野菜を刈り取った後に束ねて天日に干せるよう、木材や竹などで柱を作り、横木を何本か掛けて作ったもの。横木は最下段でも作物が地面につかない程度の高さになっている。
植え傷み(うえいたみ)
植え付け、植え替えをしたときに起こる障害で、一時、生育が止まったり葉が落ちたり、ひどいときには枯れることもある。主な原因は、植え替えのとき根が切られるなどして、水を十分に吸うことができないのに、葉からはどんどん水が蒸散して、体内の水分が不足するためである。植え傷みの比較的少ない時期が、植え付け、植え替えの適期といえる。
うどんこ病
胞子で空気伝染する病害。葉の表面に白い粉が発生し、白い粉で全面がおおわれてしまう。各種作物で発生。
畝(うね)
ほ場において、作物を定植するために他よりも土を盛って高くした所。畝を作ることを「畝立て」といい、水はけを良くし、通路と分けることにより管理しやすくする目的で行う。
畝間(うねま)
畝と畝の間隔のこと。畝と畝の間のことを指す場合もある。畝幅は土を高く盛った畝の上面の幅のことをいう。
畝寄せ栽培(うねよせさいばい)
スイカ・メロン・カボチャなど特に幅の広い畝を必要とする場合に行われる栽培である。これらの這作りは普通3~4mの広畝を必要とし、かつ浅根性なので、畝の土を良い状態に保ち、根を深く伸ばし、追肥を深く入れるなどのために、当初は1/3~1/2の狭畝としておき、蔓の伸びに応じて、2~3回にわたって追肥と土寄せを繰り返して所定の畝に仕上げる。これを畝寄せ栽培という。
裏作(うらさく)
主な耕作をし、その収穫後に次の作付けまでの期間を利用して他の作物を栽培すること。例えば水稲の後に大麦を作る時、水稲を表作、大麦を裏作という。
ウンカ
イネの害虫。繁殖力が強く周辺一帯で大発生をおこすため、水田には丸く穴が空いたように枯れた区画を生じる。2020年は山口県でもかなりの被害が発生した。
「か」
かいよう病
トマトで被害の大きい細菌病。種子伝染と土壌伝染する。茎や葉柄の内部が侵され、茎葉は萎れて枯れる。風雨による二次感染の場合は葉枯れを起こし、また果実に鳥目状の小斑点を生じる。
隔年結果(かくねんけっか)
よく実がつく年(なり年)と実がつかない年(裏年)が1年おきに交互にくることがある。実をたくさんつけた枝には、次の年に花芽がつくられにくいという性質からくる現象で、ミカンやカキはその代表的な例。
果菜類(かさいるい)
キュウリ、スイカ、カボチャ、トマト、ナス、ピーマンなどのように、果実を利用する野菜の種類をいう。マメ類、イチゴなどもこの中に入る。
褐色根腐病(かっしょくねぐされびょう)
トマトの根を侵す病気で、コルキールートともいう。被害をうけた根は褐変しコルク化する。薬剤による防除は困難であり、耐病性の台木を利用する。
株間(かぶま)
定植する作物と作物の間隔のこと。
株分け(かぶわけ)
根株を分割して、繁殖する栄養繁殖の一つで、宿根草はもっぱらこれによってふやす。
刈り払い機
通称「草刈り機」ともいう。小型の2サイクルエンジンを動力源として、円盤状の刃やビニル製のヒモを回転させて草を刈り取る。
灌水・かん水(かんすい)
作物の生育を良くするために水をかけること。普通は作物の株元にかん水するが、畝の間に水を流す畝間かん水を行うこともある。
かん水チューブ
かん水をするために水を通すビニル製のチューブのこと。チューブには水を出す小さな穴が開いており、水栓につなぐことにより、徐々に適度にかん水ができる。ジョウロやホースを使って手でかん水する方法とは異なる。
乾腐病(かんぷびょう)
タマネギの重要病害で、根は褐変腐敗し、茎盤部(根のつけ根)が乾腐状態となる。病原菌はフザリウム菌で土壌伝染する連作をさけるか耐病性品種を利用する。
岸根栗(がんねぐり)
岩国市美和町近辺で生産される和栗。果実は30g以上になり中には50g程度の大きさになるものもある。
奇形果(きけいか)
果実が品種本来の正しい形をしていない場合、これを奇形果という。
キャップ栽培
春先の低温期に早く植え付けを行う場合、三角ボウシ状のフィルムを利用して、植え付けた苗にかぶせ、霜よけと保温を兼ね、生育を助長する栽培をいう。スイカで多く用いられる。
共同出荷
出荷のための組合をつくり、組合員の生産物をまとめて出荷することをいう。組合の形式には、申し合わせのものから、町村単位のもの、農業協同組合の一部門となっているものなどいろいろある。
切り戻し
伸びた枝や茎を、その中間まで切り詰める作業のこと。切り戻しをすることで、下から元気な枝が伸び出てくるので、伸びすぎて姿をくずした株などの仕立て直しができる。
草刈り 紐
安全に草刈りが行えるため、最近ではナイロン紐を高速回転するタイプの草刈機です
経済品種
品種の中で、営農にとりあげる価値のある品種を経済品種という。
畦畔(けいはん)
田、畑で作物を栽培しない周囲の通路部分のこと。「あぜ」とも言う。
光合成(こうごうせい)
光合成は、炭素同化作用、炭酸同化作用あるいは簡単に同化作用とも呼ばれ、緑色植物が光のエネルギーを利用して、炭酸ガスと水から糖やデンプンなどのような炭水化物を合成する働きをいう。
耕運(こううん)
田畑を耕すこと。
耕起(こうき)
田や畑を起こす(耕す)こと。
高冷地栽培(こうれいちさいばい)
普通、標高700~800m以上の高地で行う栽培をいう。400~700mを準高冷地といい、いずれも夏の冷涼な気候を活用する。
穀物乾燥機(こくもつかんそうき)
収穫した穀物の乾燥に用いる農業機械である。乾燥は、もっぱらその保存性を高める目的で行われる。
「さ」
催芽(さいが)
種をまく前に,発芽を始める状態にすることを催芽という。発芽を早めたり,発芽の不揃いをさける効果がある。方法としては,十分吸水させた種を,その種の発芽適温よりいくらか高い温度に保って発芽状態にする。
栽植密度(さいしょくみつど)
単位面積当たりの栽植本数をいう。作物の種類によって大体きまっているが,環境条件などによってもかなり左右されることが多い。密植に過ぎると生育が悪くなり,収量も低下するので,各々その地に合った栽植密度を知ることが大切である。
作型(さくがた、さくけい)
作物はつくる時期やつくり方によって,いろいろの場合があるが,それらを作型という。 たとえば促成・抑制栽培,夏秋穫り,冬穫りなどいずれも作型である。
支柱(しちゅう)
株が倒れないよう、また枝や蔓(つる)を思うように配置するために用いるものを支柱という。細竹やパイプが使われているが、キュウリや草花では網も用いられ、これを網支柱(ネット支柱)といっている。
自脱型(じだつがた)コンバイン
農作物、特にイネやムギを収穫するための農業機械の1つである。
除草剤(じょそうざい)
植物(雑草)を枯らすために用いられる農薬である。
白絹病(しらきぬびょう)
植物の病害。菌類の白絹病菌の感染による。根や地際部の茎が腐敗し、その表面を灰白色の病原菌の菌糸が網状におおう。ナスの白絹病など。
尻腐果(しりくされびょう)
トマトの果実に発生する病害で、幼果の先端部に黒色のくぼみができ、商品価値をなくしてしまう。これは病原菌が原因ではなく、乾燥などによる石灰の欠乏で生理障害だといわれている。
水耕栽培(すいこうさいばい)
土を使わないで、植物の根を水に浸す方法で栽培すること。
水稲(すいとう)
稲の水田による栽培を水田稲作と呼び、水田で栽培するイネを水稲(すいとう)という。
す入り
ダイコンやカブの根身の中におきる異常の一種で、内部の細胞がだめになり、そのために空洞ができる。これをす入りという。収穫がおくれた場合とか、何かの障害で肥大が停とんした場合におこりやすい。
すじぐされ果
トマトの果実に発生する生理障害。果皮近くの導管が褐変し硬くなるもので、光線不足や栄養過多の場合に発生が多い。
スプリンクラー
噴口が回りながら散水するように工夫された潅水装置で、噴口のついた立ちあがりパイプを送水管で連結して使用する。
正条植え(せいじょううえ)
苗を列状に植える植え方をいう。
施肥(せひ)
作物に肥料を与える作業をいう。
セル苗(せるなえ)
プラスチック製の育苗用セルトレイ容器を使って育てた苗のこと。簡単に取り出すことができ、植え傷みも少ない。
剪定(せんてい)
作物(主に果樹)において品質の良い果実を毎年安定して収穫するために、必要な枝を残し不用な枝を切り落とすこと。また、樹の形を整えるために幹や枝を切り落とすことも剪定の範囲である。
「た」
堆肥(たいひ)
稲ワラ、草、家畜の敷料(畜舎に敷くワラ、オガクズなど)などの有機物を堆積、発酵させた物のこと。土壌の物理性の改善、腐植の増加、保肥力・保水力の向上など土づくりの効果が高い。
太陽熱消毒
夏季の栽培休閑期のハウスで、太陽熱を利用して土壌消毒と有機物施用の併用効果を得る方法。稲ワラ等の粗大有機物と石灰窒素を施用し、その畝間に水を溜めて古ビニールで覆い、ハウスを昼夜密閉状態にして20~30日間高温処理する。
田植機(たうえき)
イネの苗を水田に移植する農業機械である。
脱穀(だっこく)
収穫した穀類(イネ、ムギ、ダイズ、アズキ、アワ、ヒエ、ゴマなど)を茎からはずすこと。イネの場合、稲扱き(いねこき)とも言う。脱穀に続く、籾殻(もみがら)をはずす作業を脱(だっぷ)と言い、脱を含めて脱穀と言うこともある。
単肥(たんぴ)
硫安や過りん酸石灰などのように、肥料成分を一つしか含んでいない肥料をいう。
畜産(ちくさん)
乳や肉などを生産するために動物を飼育することを畜産といい、畜産で飼われる動物の中で、肉を生産するために飼われる牛を肉牛といいます。
追肥(ついひ)
作物の生育の途中で、不足する養分を補うために施す肥料のこと。追肥は定植後何日目などあらかじめ予定しておいて施す場合と生育状況を見極めながら施す場合がある。
接ぎ木(つぎき)
2個以上の植物体を人為的に作った切断面で接着して、1つの個体とすること。上部にする植物体を穂木、下部にする植物体を台木という。
土寄せ(つちよせ)
作物の株元に土を寄せる作業をいう。一般には株もとを保護するために軽い程度に行うが、根深ネギの長い白根は、特に深い土寄せでつくられる。
蔓おろし(つるおろし)
キュウリ栽培の作業の一つで、蔓の伸びにつれて蔓を引きさげる。この作業を蔓おろしという。
つる枯病
一名キャンカーともいわれ、ウリ類に被害を及ぼす。多湿のときに、蔓の根もとが侵され赤褐色の液をにじませる。ついにはしおれて枯死する。
蔓ぼけ(つるぼけ)
スイカ・メロン・カボチャなど、蔓もの野菜の場合、蔓や葉が茂りすぎて開花や着果が妨げられる状態を、蔓ぼけ現象という。
蔓もち(つるもち)
スイカ・メロン・カボチャなど、蔓もの野菜の場合、栽培後半期の生育の強さを示す用語で、後半期に生育や果実の発育が弱まるものは、これを蔓もちが悪いといい、反対に元気な状態を持続するものは、これを蔓もちがよいという。
つる割病(つるわれびょう)
ウリ類の重要な土壌病害の一つで、葉がしおれ黄化し、やがて枯死する。防除は、カボチャ、カンピョウを台木にして接ぎ木することにより防ぐことができる。
定植(ていしょく)
収穫するほ場(田や畑)へ苗や株を植え付けること。
天地返し(てんちがえし)
耕土(こうど)が年々の作付けなどによって老朽化した場合、これを下層の心土(しんど)と入れかえて、耕土の生産力をとりもどす作業をいう。
登熟(とうじゅく)
スイカやメロン等が肥大を完了したのち、果肉の色や味、肉質が次第によくなり、完全に熟する過程をいう。
トラクター
農業用トラクターの意味。耕起および各種作業用の農業機械。
「な」
苗床(なえどこ)
苗を育てる場のこと。
軟弱野菜(なんじゃくやさい)
ホウレンソウ、シュンギク、ミツバなど、日もちが悪く輸送性に乏しい野菜のことで、消費地に近い都市近郊で栽培される。
軟腐病(なんぷびょう)
ハクサイやダイコンなどに被害を及ぼす病害で、どろどろに軟化し強い悪臭を出す。土から伝染し、はじめ地ぎわから侵される場合が多く、気温が高いほど激しい。 防除には、連作を避け、排水・通風を図ること。
二期作(にきさく)
同じ耕地で同じ作物を1年に2回栽培し、収穫すること。
二毛作(にもうさく)
同じ耕地で1年に2種類の異なる作物を栽培し、収穫すること。夏期には米を、冬期には麦を作るなど。
ネット栽培
支柱の代わりにネットを張って倒伏を防ぐ。これをネット栽培という。
根づまり(ねづまり)
ポットやセルトレイで育苗中に、根が容器の中にたくさん生えて伸び、ぎっしり根が「巻いた」状態になること。この状態が続くと下葉が黄色くなったり生育が悪くなり、老化苗になる。
農薬
農薬取締法で「農作物を害する菌、線虫、ダニ、昆虫、ウイルスなどの防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤、その他の薬剤及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤、その他の薬剤」と定められているもの。
農薬使用基準
農薬の安全かつ適正な使用をするため使用者が守るべき基準のこと。使用者は基準に違反して農薬を使用してはならないと定められている。
使用者が守るべき基準として①適用作物②単位当たりの使用量の最高限度③希釈倍率の最低限度④使用時期⑤生育期間における総使用回数が容器のラベルに記載されている。
農薬取締法
農薬についての登録制度を設け、販売及び使用の規制等を行うことにより、農薬の品質の適正化とその安全かつ適正な使用を図り、農業生産の安定と国民の健康保護を目的とした法律。
「は」
バインダー
主に米や麦の収穫作業で使用される農業機械の1つである。収穫期を迎えた作物の刈り取りと結束を同時に行うことができる。
ハウス栽培
植物を地面の上に作ったビニールハウスの中で栽培すること。
葉かび病(はかびびょう)
ハウスや温室栽培のトマトに多発する病害で、葉の裏面に灰白色粉状のかびを生じ、次第に灰褐色のかびとなる。20゚C以上で多湿のときに発生しやすい。
白斑病(はくはんびょう)
ハクサイに多発する病害で、葉に白い不整形の斑紋をつくる。
播種(はしゅ)
タネ(種子)を播くこと。播きかたには点播(てんぱ)、条播(じょうは、すじまき)、ばら播きなどがある。
葉ネギ栽培
省力的、衛生的、収量が多いなどのメリットがある。水耕栽培の起源とすれば諸説あるが、戦時に生鮮野菜を海上輸送するのが実際的なやりかたではなかったため、砂礫を用いる水耕栽培がおこなわれ日本に広まったとされる。
繁殖牧場(はんしょくぼくじょう)
一般的に母牛に子牛を生ませ、その子牛を育てる牧場のこと「繁殖牧場」
肥育牧場(ひいくぼくじょう)
市場で買った子牛を大きく育てる牧場のこと「肥育牧場」
ビニールハウス
木材又は 鋼材を躯体とし合成樹脂のフィルムで外壁を被覆した、作物栽培のための農業施設である。
節成性(ふしなりせい)
キュウリなどで、節ごとに着花結実する性質を節成性という。
ふところ枝
野菜ではナス、ピーマンのように、枝に開花結実させる作物では、内部に伸びた枝が混みすぎると日当たりが不良となって同化作用が鈍るため、開花や結実がうまく進行しない。このような内部に伸びた枝をふところ枝という。これは放任しないで積極的に切除して、株全体の採光や通風をよくすべきである。
萌芽(ほうが)
芽を吹くこと。芽生え。発芽。
ポット苗
横14 ×縦32 の448 穴の一体成形されたプラスチック製のポット育苗箱を利用し、各穴に2 ~4 粒ずつの種子を播いて育てた苗である。
「ま」
マット苗
育苗箱(いくびょうばこ)(幅約30 cm、長さ約60 cm、厚さ約3 cm)という浅い盆状の箱に床土を入れてその上に種を蒔き更にその上に薄く覆土をし発芽させたものである。
間引き(まびき)
苗床や直まきの畑で、密生している部分の苗を適当に取り去り、また、奇形や徒長したものや育ち遅れたものを取り除く作業をいう。なお、以上の場合に限らないで、花や果実、枝であっても、その一部を取り除くことを一般に間引くという。
マルチ
マルチングの略。畑の表面を紙やプラスチックフィルム等で覆うこと。
実生(みしょう)
種子からその発芽によって育った植物を実生という。接ぎ木など、栄養繁植した植物に対しての用語である。
水苔(みずごけ)
湿原や山地の湿地に生える鮮苔類を乾燥したもの。保水力に富み、取り木、挿し木の乾燥防止、洋らんや観葉植物の植え込みに使われる。
水栽培(みずさいばい)
ヒヤシンスやクロッカスなど、土を用いずに水だけで花を咲かせる栽培方法。肥料を含んだ水で栽培する水耕栽培と混同されることがある。
水代(みずしろ)
鉢植えにしたとき、鉢の上部に水のたまるスペースをあけて植え付ける。このスペースを水代、あるいは「ウォータースペース」という。
ムカゴ
肉芽のこと。葉の付け根部分に生じる芽(腋芽)の一種で、養分を貯蔵して肥大し、母体から分離して次の世代の個体発生の起源となる。オニユリやヤマノイモなどに、その例が見られる。
無硫酸根肥料(むりゅうさんこんひりょう)
肥料の副成分として、硫酸根(りゅうさんこん)をもっていない肥料をいう。
芽かき(めかき)
余分に出た芽を若いうちに摘み取って、樹形を整えたり、果実・花の生育を調節すること。
芽出しまき(めだしまき)
発芽を斉一にするため、発芽しはじめたタネをまくことを芽出しまきという。つまり、タネを1昼夜ほどぬるま湯に浸して十分に吸水させ、これを所要の適温に保つと、よく揃って発芽をはじめるから、これをまきつける。
芽接ぎ(めつぎ)
芽を台木に癒着させる接ぎ木法を芽接ぎという。果樹で多く用いられる。
メリクロン
茎頂培養によって育成された苗のことで、実生苗と区別している。カーネーション、キク、イチゴなどのウイルス・フリー株や、ランの無菌培養による増殖株がある。
籾(もみ)
籾殻を取り去る(脱穀)前のイネの果実に相当する部分のこと。籾米(もみごめ)ともいう。種子としてまくための籾は種籾(たねもみ)ともいう。
籾(もみ)
籾殻を取り去る(脱穀)前のイネの果実に相当する部分のこと。籾米(もみごめ)ともいう。種子としてまくための籾は種籾(たねもみ)ともいう。
籾すり機(もみすりき)
籾から籾殻を取り除いて玄米に仕上げる工程で用いられる農業機械である。籾殻を取り除くことを脱?(だっぷ)という。
「や」
野生種(やせいしゅ)
栽培されている植物、つまり作物に対し、自然に自生している植物を野生種という。
夜冷育苗(やれいいくびょう)
果菜類や花きの育苗方法で、日中は苗の生育適温(中・高温)、夜間は比較的低温で管理して、花芽分化や開花の促進、苗の徒長防止を図る。
薬剤散布(やくざいさんぷ)
病害や虫害の予防・殺菌・駆除のために農薬を散布することをいう。
誘引(ゆういん)
キュウリ・カボチャなど蔓性の野菜はもちろん、倒伏懸念のある作物は支柱を立ててひもなどでくくる。この作業を誘引という。
有機質肥料(ゆうきしつひりょう)
油粕、魚肥などのように、四要素のほかに有機質を含んでいる肥料をいう。これに対して化学肥料を無機質肥料という。
有機農法(ゆうきのうほう)
安全で本物の農産物を作るため、農薬や化学肥料を利用しない土作りを重視した農法。
癒合(ゆごう)
植物では枝の切り口や接ぎ木した部分などの傷口が癒えてふさがること。動物では離れた皮膚、筋肉などが付くこと。
葉腋(ようえき)
葉が茎につく部分の上側で、普通ここに芽ができる。
養液栽培(ようえきさいばい)
水と養分を培養液の形で施して作物を栽培すること。培地の種類や培養液の供給方法によって分類され、れき耕・水耕・噴霧耕・ロックウール栽培等がある。
用土(ようど)
鉢や苗床で栽培するのに用いる土を用土といい、有機物や肥料成分を適度に含み病害虫のないこと、通気や水はけなどについて良好なものをあらかじめ作っておく。
「ら」
ランナー
イチゴやオリヅルランは、親株からツルを横に伸ばして子株をつくる。その際のツルをランナーという。
陸稲(りくとう / おかぼ)
畑で栽培されるイネ(稲)。野稲(のいね)とも呼ばれている。
緑肥(りょくひ)
栽培している植物を、収穫せずそのまま田畑にすきこみ、つまり、植物と土を一緒にして耕し、後から栽培する作物の肥料にすること、またはそのための植物のことである。
輪作(りんさく)
いくつかの作物を一定の順序で繰り返し栽培することを輪作という。
冷害(れいがい)
例年よりも気温の低い日が続く自然災害である。
連作(れんさく)
一つの作物を同じ圃場に繰り返し作付けすることを連作という。
露地栽培(ろじさいばい)
植物を自然の土地や畑、つまり大空のもと、屋根やハウス無しで育てること。
「わ」
矮性(わいせい)
生物の体が標準の大きさに比べて小さいこと。遺伝的または病的要因による。観賞用植物や愛玩動物として、育種で作られることも多い。園芸的には主として草丈の低いことをいう。高性に対する言葉。
若苗定植(わかなえていしょく)
果菜類では適期より早く植えると草勢が強くなりすぎて過繁茂になりやすく、その後の生育に支障をきたす。ただ、ハウス抑制栽培では高温期の活着促進のため、比較的若い状態で定植する。葉菜類においては、活着促進を図るために、むしろ若苗定植が望ましい。
脇芽(わきめ)
葉のつけ根にできる芽。普通、葉の基部の上側にできるが、葉柄の内側に生ずるものも多い。腋芽。
ワッカ症(ワッカしょう)
ダイコン表皮に不整形の黒円を発症するものを俗にワッカ症と呼んでいる。特に12月~2月頃の低温期に収穫する作型で被害が多い。原因は特定されていないが、品種により発症の差がみられる。
割り接ぎ(わりつぎ)
まず、穂の下端をくさび形にそぎ、台木の茎を切断してその断面の中央を少し切り下げて割れ目をつくり、これに穂を挿し込んでしっかりくくるか、特定の小具で挟み、台と穂の切り口を密着させる接ぎ木方法。しかし、接ぎ木苗が大苗で効果が悪いため、より効果の高い幼苗接ぎ木が一般的である。